タイ
観光
北イサーンを巡る旅 前編

タイのコーンケーン&カラシンでカラフル&ディープな旅をしよう

@TRIPPING!

タイ東北部「イサーン」は、ラオスとカンボジアに挟まれたのどかな農村地帯。他の地域に比べると地味で素朴な印象があるエリアだが、ディープな魅力に溢れたデスティネーションなのだ。

今回は「コーンケーン」「カラシン」という、北イサーンの2県をフィーチャー。ユニークな文化、イサーン料理、ローカル体験、そして「恐竜」といった、知られざる面々を余すところなく紹介する。

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バンコクから北東へ約450km! タイ東北部の中心都市「コーンケーン」

コーンケーンはバンコクから北東へ約450km。タイ東北部の中心都市で、空港や鉄道駅も要するイサーンのゲートウェイシティだ。アクセスには空路が便利。バンコクから、複数の航空会社(タイ・スマイル、ノックエアーなど)が1日約6便乗り入れていて所要約1時間。コーンケーン空港は現在拡張工事中で、2022年に新空港が誕生する予定だ。
コーンケーンの東隣にあるカラシンへは、コーンケーンを経由して約1時間、タクシーか車をチャーターして行く方法がベターだ。


コーンケーン空港 @TRIPPING!

コーンケーンを含む周辺4県(カラシン、マハーサーラカーム、ローイエット)は、イサーン地方のちょうど真ん中に位置する。年間を通じて温暖で、平均最低気温は約11度、平均最高気温約39度。最も涼しく過ごしやすいのは11月から2月頃だ。
文化的にはラオスの影響を強く受けており、主食はもち米。フランスパンのサンドイッチなどベトナム風のものもあり、独自のミックス文化を形成している。

 

北イサーンの魅力1
恐竜の化石がゴロゴロ! タイ最大の「恐竜王国」


シリントーン博物館(ディノサウルス・ワールド) @TRIPPING!

コーンケーン、カラシン最大の魅力は「恐竜」。実は、タイは知られざる恐竜王国。タイ77都県中、20県から恐竜の化石が発掘されているが、その多くがこの2県から出土されているのだ。タイ独自の種類も9種発見されている。

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コーンケーン、カラシンには恐竜にまつわる観光スポットが多数存在する。本格的な恐竜博物館や、実際の発掘作業現場を間近で見られる研究所、恐竜の足跡が残る森林公園など、恐竜好きにはたまらないスポットが盛りだくさん。1つだけでも充分見ごたえはあるが、できることなら時間をかけてじっくり見て周りたい。

 

北イサーンの魅力2
地元で採れる新鮮食材を使った「絶品イサーン料理」


ガイヤーン 引き締まったプリプリの食感が最高 @TRIPPING!

新鮮な食材を使ったイサーン料理も楽しみのひとつ。イサーン料理とは、タイ東北部で食されている料理のこと。辛味が強く、魚の発酵ペースト(プラーラー)を使用する料理が多い。主食のもち米は、竹筒の入れ物やバナナの葉に包まれてサーブされる。生のハーブや野菜を多用していることも特徴だ。バンコクでもイサーン料理は食べられるが、やはり本場はここ。バンコクにはない食材や調味料を使った、本格的なイサーン料理が堪能できる。


ソムタム イサーン風はパームシュガーやプラーラー、野生のオリーブ(マコー)を使用する @TRIPPING!

代表的なイサーン料理には、「ソムタム(青いパパイヤのサラダ)」、「ガイヤーン(鶏の炭火焼)」、「サイクロー・イサーン(発酵ソーセージ)」などがある。コーンケーンで飼育されている「KKU1(ケーケーユーワン)」という地鶏の品種は、ヘルシーで栄養価が高いと地元の大学からも太鼓判を押されている。プリプリの食感で、ガイヤーンにすると最高だ。「トムヤム・イサーン」という、イサーン風トムヤムは、さっぱりとした辛味が美味。わざわざバンコクから食べに来る人もいるという。

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この辺はマンゴーの産地としても有名だ。特にコーンケーンにはマンゴー畑が約2.4平方キロメートルもあり、甘くジューシーであると知られている。毎年、東京・代々木公園で開催されている「タイフェスティバル」でも、コーンケーンのマンゴーが販売されている。今年も出展するとのことなので、要チェックだ。

 

北イサーンの魅力3
美しいシルク&ユニークな寺院。「独特の文化」の宝庫

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北イサーンには、豊かな織物文化も根づいている。カラシン北部、バーンポン村に住むラオ系少数民族のプータイ族。彼らに伝承されてきた「プレワーシルク」は、OTOP(タイ一村一品運動)で5つ星を獲得している高級シルクだ。まばゆい赤地と繊細かつ大胆な幾何学模様が特徴で、シリキット王妃(ラーマ9世)が保護・奨励に尽力してきたことで注目されるようになった。
数あるタイシルクの中でも「シルクの女王」と形容され、国内外で高い評価を受けている。


プレワーシルク  @TRIPPING!

コーンケーンのシルク  @TRIPPING!

コーンケーン産の絹絣も有名だ。ダイヤモンドのような独自の模様「カンケンクーン」が織り込まれており、毎年シルクフェスティバル(11月下旬~12月初旬)も開催されている。


ワット・チャイシー @TRIPPING!

ラオスから北イサーンに浸透している地域文化も興味深い。コーンケーンにある寺院「ワット・チャイシー」の壁一面に施されている壁画には、ラオスから北イサーンのみに伝わる、ブッダの一転生のストーリー(サン・シンチャイ物語)が描かれている。この地域における「ラーマヤナ」のような存在とのことだ。


モーラム @TRIPPING!

「モーラム」は、伝統楽器の演奏に舞踊やラップのような歌を掛け合わせたパフォーマンス。楽器には日本の笙のような笛「ケーン」が使われる。農民の悲哀や社会風刺、笑いなどが盛り込まれた、イサーンの大衆芸能である。モーラムは、ワット・チャイシーで見学することができる。(要事前問い合わせ)

 

北イサーンの魅力4
ファームステイやクッキング。「ローカル体験」が楽しめる


ミーキン・オーガニック・ファームで農園散策 @TRIPPING!

どこまでも田園風景が広がるイサーン。郊外にあるファームやコミュニティでは、様々なローカル体験が楽しめる。
コーンケーン郊外にある観光農園「ミーキン・オーガニック・ファーム」では、ファーム散策やソムタム作り、東屋での宿泊など、ユニークなアクティビティを用意している。自然の中で過ごすひとときは、思い出深いものになるに違いない。


ジャスミンの花輪 @TRIPPING!

コーンケーン北部の「シラ・コミュニティ by ラムナムポン」では、ジャスミンの花輪や「トゥン」というカラフルな吊るし装飾などを実際に作ってみることができる。初めてでも村の女性たちが優しく教えてくれるので心配無用。イサーンの伝統手工芸を体験してみたい人におすすめだ。


トゥン @TRIPPING!

 
特集の後編では、実際に北イサーンでやりたいことを、スポットとともにご案内!

 
■取材協力
タイ国政府観光庁

(text & photo : Akiko Yahano)

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