タイ
グルメ
フワフワ派もサクサク派も大満足!

ルークチンがとにかくおいしい老舗麺食堂2選

著者撮影

タイ料理初心者でも気軽に挑戦できる麺料理は、タイを訪れたことのある人なら一度は食べたことのあるタイ料理のひとつではないでしょうか。一見シンプルながら麺の種類や味付け、具、スープの有無などさまざまなカスタマイズをして楽しめるタイの麺料理ですが、お気に入りの麺食堂を探す時に多くのタイ人がこだわることのひとつが“ルークチン”がおいしいか、否かです。

本文を読む


 
ルークチンとは、タイの麺の具として一般的な魚や肉のつみれのこと。こだわりの店ではこのルークチンを手作りしているところも多く、麺のほかにルークチンだけを別皿でオーダーする人も珍しくありません。それだけに、名店と呼ばれる麺食堂のルークチンは一度食べれば忘れられなくなるほどのおいしさ! 普通の屋台で食べるのとはひと味違う、絶品ルークチンをぜひ味わってみてください。

 

外はサクサク、中はもっちり!タロイモのルークチンが絶品の老舗食堂
「ハイセン フィッシュボール ヌードル」

別皿でオーダーしたプアックトート 40B  著者撮影

さまざまな種類があるルークチンの中で、個人的に1番好きなのが、上の写真の「プアックトート(タロイモ揚げ)」。見ての通り練り物ではないので王道のルークチンとは少し違うものの、サクサクとした食感が麺のアクセントにぴったりなんです。店によって「ルークチンプアック(タロイモのルークチン)」、「ルークチンジェー(ベジタリアンのルークチン)」などと呼ばれていることもありますが、細切りにしたタロイモを湯葉で巻いて揚げる、という基本的な作り方はどこもほぼ同じです。

店頭で切ったものをすぐに揚げるので、できたてのおいしさを味わえます  著者撮影

プアックトートが有名な店はほかにもありますが、イチ押しはラマ4世通り沿いにある創業80年を超える老舗、『ハイセン』のもの。こちらの1番の特徴はなんと言ってもその大きさにあります。一般的にはひと口大で中のタロイモまでカリカリに揚がっていることが多いのですが、こちらは大きめなので外はカリカリながら、中は程よく火が入りもっちりと柔らかな仕上がりに。“サクッ”と“モチッ”を繰り返す食感のバランスが絶妙で、そのままでもスープに少し浸してから食べても美味! これ目当てに通う人がいるのも納得の味わいです。

センレック トムヤム 45B  著者撮影

もちろん、ルークチンだけではなく主役の麺も逸品揃い。なかでも、初めてこちらを訪れる人に必ず食べてほしいのがトムヤム麺です。しっかりとダシの効いた深みのあるスープに、マナオの酸味がキリッと引き立った上品な味わい。調味料を加えなくても十分においしい、完成度の高い一杯です。

バミー イェンターフォー 40B  著者撮影

タイ料理通の方におすすめなのが、紅腐乳入りの赤いスープが印象的なイェンターフォー。発酵食品らしい独特の酸味があるスープには、バミーポッという平麺が好相性。味わい深いスープが麺によく絡み、止まらないおいしさです!

1日中、地元の人で賑わう店内  著者撮影

食堂といってもすっきりとした清潔感のある店内で店員さんも親切なので、観光客でも安心して行ける雰囲気。外国人に人気の店ではなく、地元の人に混ざって麺を食べたい!という方にもおすすめの名店です。

創業80年以上、ここで店を開いて15年以上。地元の人に愛され続ける名店です  著者撮影


ハイセン フィッシュボール ヌードル
・住所:357/4 Soi Chula9, Rama4 Rd., Bangkok
・電話:(+66)86-808-5456
・時間:11:30-23:30 ※定休日なし

 

どこまでもふわっふわ、柔らか! 中華街で60年以上愛される名店のルークチン
「ペッティアン ルークチンプラー」

著者撮影

クイッティアオやバミーなど、今はタイ料理として定着しているタイの麺料理の多くは、中国から移住してきた華僑たちがこの地に伝えたもの。それだけにバンコクの中華街には、麺やルークチンがおいしいと評判の店が数えきれないくらいあります。なかでも、ふわふわ&柔らかな王道的おいしさのルークチンが食べられるのが、ここ『ペッティアン』です。

バミーポッヘン(大盛り) 55B  著者撮影

中華街のメインストリート、ヤワラー通りとジャルンクルン通りを結ぶ、路地裏にあるこちら。一見どこにでもある食堂ですが、実は創業60年以上という老舗。この場所で華僑の人々の食生活を支えてきた、知る人ぞ知る名店なのです。人気の秘密は、写真からも伝わるほどふわっとボリュームのあるルークチンの数々。3種類の魚の身を混ぜることで、それぞれのルークチンに合う理想的な食感に仕上げているそう。つなぎの卵白も匂いが出ないように極力使用量を抑えるなど、細部までこだわりが。それだけにどのルークチンも驚くほどに柔らかく、魚の旨みがギュッと凝縮されています。

バミーポッナーム(大盛り) 55B  著者撮影

ルークチンに加え、この店でもうひとつ特筆すべきなのがほぼ透明に近いほどに澄んだスープ! 豚骨を加えているとは思えないほどに澄んだ色だけではなく、味も驚くほどにクリアですっきり。ですが物足りなさは一切なく、じんわりと甘味と旨みが広がるその味わいを大切にするため、敢えて調味料を加えずに食べ進みたくなるほど、奥深さを感じる仕上がりです。

ひっきりなしに地元の人が訪れるため、厨房は常にフル回転  著者撮影

タイ国中、どこででも食べられるルークチン入りの麺ですが、その味わいは店によって千差万別。もし「タイの麺なんて、どこで食べても同じ」と思っている方がいたら、ぜひ一度だけでも歴史ある名店を訪れてみてください。こだわりと誇りの詰まった歴史ある一杯に、感動すること間違いなしです!

著者撮影


ペッティアン ルークチンプラー
・住所:48 Soi Charoen Krung 12, Bangkok
・電話:(+66)2-224-3614
・時間:8:00-17:00 ※定休日なし

 
(text & photo : 白石路以)

 
タイ料理ライターイチオシ! バンコク絶品食堂案内
その他の記事はこちら>

何をむ?

国名・都市名、ジャンルを選ぶと、読みたい記事を絞りこみできます

RECOMMEND COLUMN
連載コラム

RECOMMEND
COLUMN
連載コラム