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熱帯写真家フォトエッセイ

バンコクを縦横無尽にバスは走るよ何処までも…

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バンコク、スクムビット通り。夕方のラッシュ時にバスもお手上げ。いつ着くかさえわからない。

バンコク市内を走る路線バス。200近い路線が運行され、一部の路線は24時間走っている。車体の種類も実に多彩で公社が運行するバスに加え、民間に委託して運行している路線もある。

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通称「赤バス」と呼ばれるのが、公社が運行するバス。エアコンは無く、料金は一律6.5バーツ(深夜時間帯22時~5時は8バーツ)、路線によっては有料道路を通る場合は2~3バーツの追加料金がかかる。車体が白やピンクのバスは民間に委託しているバスで公社運行の路線と同じ路線を走る。料金は一律9バーツ(深夜時間帯は10バーツ)、オレンジ色の車体の少し小さいバスも民間委託の路線でこちらも料金は9バーツ(深夜時間帯は10バーツ)、その他、車体がクリーム色、オレンジ、黄色の エアコン付きのバスも走っている。エアコンバスは距離によって料金が異なり初乗り8バーツ~、最高で24バーツ。

 
実にアメージングなバンコクの路線バス。BTSスカイトレインや地下鉄のMRTが開通してからは、バスの利用価値は下がってしまったのは事実。渋滞の激しいバンコクでいつ来るかわからないバスを待ち、目的地にもいつ着くのかもわからない。そして複雑な路線。バス停で待っているタイ人に聞いても自分の乗る路線しか知らないことも多い。書店では「バスマップ」なるものが売られているがそれを使っても旅行者には敷居が高いのが現状だ。なにもあんなボロボロで乗り心地も悪く、排気ガスにもまれて「赤バス」に乗る必要も無いかも知れないが、バスに乗っているとタイの側面が見えてくるのも事実だ。

 
「赤バス」で汗をかきながら激しい渋滞に耐えていると隣には高級外車が停まる。運転しているのは大学生で最新のiPhoneで楽しそうに会話をしている。親に買ってもらった高級車を乗り回す大学生もいれば、バスで通学する大学生もいる。夜の22時半頃にスクムビットのエンポリアムの前のバス停からは、仕事を終えた人たちでバスは超満員になる。多くの人はBTS路線より遠方に住んでいたり、交通費を節約してバスに乗っているのだと思う。

 
バスに乗ってみたいけど乗り方がわからない。何処に行ってしまうかわからない。そんな不安もあるかも知れない。でも、簡単にバスの旅を楽しむ方法がある。目の前のバス停から来たバスに乗ってみる。乗ったバスの路線番号を覚えておき、適当なところで降りる。帰りは道路の反対側のバス停から同じ番号のバスに乗ればいいのだ。エアコン無しの路線バスなら料金は一律。帰りが心配なら帰りはタクシーで帰るのもよし。ちょっとした時間と度胸でバンコクの旅がさらに面白くなるかも知れない。

 
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ミニバスは何故か運転が荒い運転手が多いような気がする。

 
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昼間は空いている事も多いので乗るなら昼が狙い目。

 
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バスの前後と乗降口には路線を示す番号が表示されている。

 
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街中にあるバス停。バスが来たら手を上げないと停まらないことも。

 

(text & photo : 中島貴義)

 

熱帯写真家フォトエッセイ「アジアの街角から」
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