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フィリピン映画コンビに聞くとっておきな旅先とは

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photo: フィリピン政府観光局

 

フィリピン南部・ミンダナオ島の未開の地で暮らす人々の生きざまを知る、映画『クロコダイル』。「映画作りを通して、フィリピンの多様性を発見するのが面白い」と語るフランシス・セイビヤー・パション監督とヒロインのアンジェリ・バヤニさんに、改めてフィリピンの魅力を語ってもらった。

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映画を通して見つけたフィリピンの未知数

7,000の島々から成り、地域によって言語も文化も様々なフィリピン。本作の舞台である南アグサンもまた、自然との共存の中で築かれた信仰が根付く場所で、その独特な文化が今回初めて映画で語られた。

「僕はこの地域に住むマノボ族のことは何も知らなかったので、映画を撮影する上でまず、彼らと信頼関係を築かなければなりませんでした。彼らは自然に息づく精霊をとても大事にしていて、撮影前には私たちを守ってくれるように豚を献上する儀式を開いてくれました。また、彼らにとって音楽は神聖なもので、長老の信頼がないと演奏しないのですが、映画の撮影を通して、初めて音源を録ることができました。それはとても豊かな体験でしたし、この経験を通して謙虚な気持ちにさせられました。こう話しているうちにまた、アグサンに戻りたくなってきました(笑)!」(監督)

 

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映画『クロコダイル』より

 

アンジェリさんもこれにうなずきつつ、「私たちはこの国の多様性を素晴らしいと思う一方で、実はお互いに学び合っていることが少ない」とも。だからこそ映画を通して、今まで語られることのなかったことに光を当てることにやりがいを感じるのかもしれない。

 

旅するならココ!フィリピンのおすすめスポット

そんな二人に聞いた。多種多様な地域がある中で、敢えてフィリピンを旅する人におすすめしたい場所とは?

「”心の旅“をするなら、サガダという北部の山岳地域はいいですよ。古い文化が残る穏やかな場所で、僕も自分を見つめ直す時にはこの山に籠ります(笑)。ビーチに行くなら、ボラカイ島は砂が綺麗だし、パラワン島はボラカイほど商業化が進んでいないので、美しくて静かに過ごせる場所ですね。それから、フィリピン最北端の島バタネスはイタリアのトスカーナみたいで、家々が台風から身を守るために個性的な造りになっていて面白いですよ。あと、冒険が好きな人にはマニラのようなカオスな街もおすすめします」(監督)

 

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サガダのライステラス(©jojo nicdao on Flickr)

 

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パラワン諸島(photo: フィリピン政府観光局)

 

「女性におすすめするなら、昼間は子供たちと遊べて夜はお酒を飲んで酔っ払えるボラカイがおすすめね。あと、私もサガダが好きです。冬はとても寒いですが、とても治安が良いし、元々女系の文化を持っているため、女性に対して敬意が高いんです。個人の興味や趣味によっておすすめしたい場所は異なりますが、ぜひ歴史的な場所も訪れてほしいですね」(アンジェリ)

 

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ボラカイ島(photo: 日本アセアンセンター)

 

フィリピンと言えば、ちょうど今が一年で一番賑わうクリスマス・シーズン。しかし、そのお祝いは9月から1月末まで続くと言うから驚き(公式には12月16日から9日間にわたりミサ礼拝を行うのが習慣)!

「みんなが最も待ち望んでいる季節だからね!」そう語る二人から満面の笑みがこぼれた。

 

(text: Izumi Kakeya)

【info】

アンジェリさん出演『イロイロ ぬくもりの記憶』
新宿K’s cinemaにて公開中
http://iloilo-movie.com/

第15回東京フィルメックス
http://filmex.net/2014/

 

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