カンボジア
カルチャー
熱帯写真家フォトエッセイ

アジアの街をゆく 〜カンボジア カンポット&ケップ 前編〜

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ケップはとてものんびりとした空気が流れていた。

 
ベトナムのロンスエンからバス、タクシーを乗り継ぎカンボジアのカンポットにやってきた。

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ゲストハウスに着い頃には日も暮れ、辺りはすっかり暗くなっていた。水シャワーを浴び、夕食がてらブラリと街に出た。意外にも小洒落たバーやレストランがあるのにビックリした。カンポットはカンボジアの南部にあるカンポット州の州都だ。街を隔てるようにコンポンバイ川が流れ、それを望むようにフランス植民地時代の建築物が並んでいる。南部はタイランド湾に面し、塩、胡椒、ドリアンで有名な街である。

 
翌朝、バイクをレンタルしてカンポットから約30km、ケップという町に向かった。途中未舗装の国道を走ること約1時間、海に面した小さな半島に着いた。古くはフランス植民地時代、フランスの高官たちに愛されたリゾートで、海と丘の自然に恵まれた素朴な海岸線が続く。シハヌークビルと比べると隠れ家的な保養地という感じだ。ケップはシーフードでも有名でビーチには大きなカニのオブジェがあった。

 
海岸線は岩場が多くあまり泳ぐのには適していないが、砂のビーチでは地元の観光客がTシャツのまま水遊びを楽しんでいた。なぜかオブジェが多い。白い人魚の像は人気スポットのようで記念写真を撮るカメラマンが待機していた。いつも思うのだがカンボジアもスマホが普及している昨今、記念写真を撮る人はいるのだろうか?と思ってみていると、お坊さんのグループが撮影してもらっていた。

 
海岸沿いにはシーフードのレストラン多くあったが、平日の昼間ということもあり閑散としていた。バイクを止めるとあちこちから呼び込みの声がかかり、誘われるままに席に着いた。日除けの屋根があるだけといった感じだが、小上がりにはハンモックが吊されていてローカルのお客さんが気持ちよさそうに揺られていた。本来は名物のカニを注文すべきなのだろうがエビにした。カンポットの特産品の生胡椒で炒めたシンプルなものだが、素朴なレストランで食べると何故か特別に美味しく感じてしまう。

 
あまりにものんびりとした雰囲気で時が経つのを忘れてしまう。食事の後、ハンモックに揺られたらどんなに気持ちいいだろう。海に沈む夕陽を見ながらビールを飲んだら… と後ろ髪を引かれる思いでケップを後にした。

 
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丘の緑と海の青とのコントラストがきれいな町だ

 
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人気の撮影ポイント?記念撮影していたお坊さんたち

 
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ケップの目印?大きなカニのオブジェ

 
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特産の生胡椒とエビの炒め物

 
(text & photo : 中島貴義)

 

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