TRIPPING! トップ × ASEAN × タイ × ヒット映画に垣間見る、LGBTQ先進国 タイの「性」事情
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2017.4.17 23:47
fuku:バンコク情報誌編集長
この著者の記事 タイエンタメ タイ映画
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近年、日本でもニュースなどでよく取り上げられるようになってきた「LGBT」。これはレズビアン、ゲイ、バイ・セクシュアル、トランスジェンダーの頭文字を取ったもので、「性的マイノリティ」全般を指します。


 
最近はこれに「自分の性別がわからない」という意味の「Questioning(クエッショニング)」、もしくは「変わり者」を指す「Queer(クィア)」を加えて「LGBTQ」と表記することも増えてきました。

タイはこの性的マイノリティに関しては世界でも有数の先進国。タイに少しでも滞在すれば、同性同士のカップルが歩いていたり、化粧品店や洋服屋でニューハーフの人が働く姿をあちこちで見かけるはず。

ちなみに、タイでは「生物学的性別」「本人が自分をどの性別と感じているか」「自分の性的指向」などで分類して、「全部で18の性別がある」といわれています。
こんな風にタイは性的マイノリティに寛容な社会ではありますが、「性」は個人的な問題。彼らも様々な悩みを抱えていたりします。

 
そんなタイにおける、タイ人のLGBTQに対する意識を知りたい方は、それをテーマにしたタイ映画をご覧になってはいかがでしょうか。

近年のタイでは、年に数本のペースでLGBTQをテーマにした作品が制作されており、その内容も「オネエ」のコメディアンが活躍するギャグ・コメディからシリアスに性を描いたものまでバラエティ豊か。今回はそんなLGBTQ映画の中から個人的なおすすめ&現在でもDVDが入手しやすい作品を紹介します。

 
注)タイで市販されているDVDは日本とリージョンコードが違うため、日本で再生するためにはリージョンフリーのプレイヤーやPCソフトなどが必要になります。
また、英語字幕が付いていないものもあるため、パッケージなどで確認の上購入ください。

 

若手俳優たちが体当たりで演技!
『ラック・ヘーン・サヤーム(サイアムの恋)』(2007年)

・英題『Love of Siam』
・邦題『ミウの歌〜Love of Siam〜』『サイアム・スクエア』

友情と愛情の狭間を揺れ動く幼なじみの少年同士の関係を軸にしつつも、家族愛や初恋、遊びの愛、失踪した姉への愛など様々な形の愛を描いた青春映画。

【あらすじ】
幼い頃親友同士だったミウ(ポスター左上)とトン(右下)だが、ある日トンの姉が失踪したことがきっかけでトンの一家は引っ越してしまう。その後、成長して高校生になったミウは、サイアムスクエアで偶然トンと再会する。その時、ミウは学生バンド「August Band」のボーカルを努め、恋愛経験がなくラブソングが書けないことで悩んでいた。一方、トンは姉がいなくなったことで自身もいまだに苦しみ、家庭内にも不和が生じていた。再会した二人は友達同士として付き合いを再開するが、そのうちお互いの友情以上の感情が芽生えてきたことに気づき始める……。

 
本作は若手俳優の体当たりでの演技が見どころ。特にミウとトンによるキスシーンは大きな話題になりました。タイトルどおり「若者文化の中心地」であるサイアムスクエアを主な舞台に若者たちの行動を通して当時の流行や文化を描いているため、タイカルチャーに興味がある人にもおすすめです。

なお、劇中に登場する「August Band」は実際にもデビュー。タイ国内だけでなく台湾でも活動し、人気を博しました(ミウ役を努めたウィウィシット・ヒランヤウォンクンはソロでも中華圏で活動)。

一方、トン役のマリオ・マウラーは本作で銀幕デビューを果たした後、一気にタイを代表する俳優にまで上り詰めました。

LGBTQ映画というと、本作以前はニューハーフのバレーボール・チームが活躍する『アタックハンバーハーフ』のようなコメディ映画が主流でしたが、本作のヒットをきっかけに、同性愛について真面目に捉えた映画が増えてきたように思います。

 
■予告編

 

記憶喪失になったゲイは美女と恋に落ちるか?
『Me…Myself コー・ハイ・ラック・ジョン・ジャルーン(愛よ永遠なれ)』(2007年)

・英題『Me…Myself』
・邦題『ミー・マイセルフ 私の彼の秘密』

「おしゃれな男子を見たらゲイだと思え」と、タイ人女子からよく聞くほどゲイの多いタイでは「自分の好きになった男性がゲイだったら?」というのは一般的なテーマ。ドラマや映画のオチにもよく使われる話ですが、これに「記憶喪失」という要素を付け加え、少し変わった視点から描いた作品です。

【あらすじ】
彼氏に振られてしまったOL・ウム。悲痛に打ちひしがれながら車を運転している際に、路上を歩いていた男性を轢いてしまう。幸い一命を取り留めた男性だが、衝突のショックで記憶喪失になって、自分の名前も住所も思い出せない。彼の手がかりは事故で血染めのシャツに刺繍されていた「テン」という名前のみ。自分の責任を感じたウムはテンを引き取って、記憶が戻るまで同居生活を始める。やがて、二人はお互い惹かれ合うのだが、ある日テンの記憶が戻り、驚くべき事実が発覚する……。

 
タイを代表する美男俳優、アナンダ・エヴァリンハムがゲイ役を努めて話題になりました。公開当時はそれほど大きなヒットとはなりませんでしたが、DVDの方はロングセラーとなり、今でも比較的簡単に手に入るようです。

2010年にアジア各国の名作を日本に紹介する「珠玉のアジアン・ライブラリー」シリーズDVDが販売されていましたが、その第1弾にも収録されました。そのため、今でも日本国内のTSUTAYAなどで借りられるようです。

 
■予告編

 

シリーズ化もされたガール・ミーツ・ガール物語
『Yes or No ヤーク・ラック ゴ・ラック・ルーイ(愛したいなら愛しちゃいな)』(2010年)

・英題『Yes or No』
・邦題『ジェリーフィッシュの恋』

上記2作品はゲイがテーマですが、こちらはレズビアンやトムボーイをテーマにした作品。名門大学を舞台に女性同士の心情の機微を描いたキュートな青春ラブコメディで、公開時は多くの女性ファンを「キュン死に」させたとか。シリーズ化もして、続編の「2」と「2.5」が公開されています。

【あらすじ】
大学の寮で新しいルームメイトを探していたパイ。しかしやっと見つかった相手、キムは、パイの苦手なトムボーイ!? 「ここから入らないで!」と部屋を二分し、完全に生活を分けようとするパイだったが、そんなことは意に介さず素直に優しく接するキムに、いつからか心を開いていく。

 
日本では「アジアンクィア映画祭」で2回上映されたのに加え「BOYish FRIEND WOMEN?ONLY – BF CINEMA!!!」というイベントで上映されるなど、日本での注目度も比較的高い作品と言えます。

 
■予告編

 
(text : fuku)

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