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熱帯写真家フォトエッセイ

バンコクの頭上グルグル物語

cab_01バンコクらしい風景のひとつ  著者撮影

バンコクの空を見上げてみると電線がグルグル巻きになっている。街中の至る所で見られる。恐らく通信用のケーブルだと思うのだが「よくもここまで」と感心してしまう。

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通信会社もどれが何処に繋がっているのか把握しているのだろうか?電気のケーブルも歩道橋を使って反対側に通すケースも多々あり、雨季になると感電事故も報告されている。雨が降ると頭上の電線が「ジリジリ・・・」と音を立てていることも珍しくは無い。

cab_02工事途中だと思いたい  著者撮影

自宅にブロードバンド(ADSL)回線の敷設工事をしたときも、エンジニアのお兄ちゃんが数十メートル先の電柱から自宅のマンションまでケーブルを引いてきた。自宅マンションはかなり古いため、集合住宅でありながら電話の交換機が無い。引っ張ってきたケーブルをそのまま部屋まで引き込んでいる。全部の住人がブロードバンドの工事をしたら大変な事になりそうだ。

cab_03自宅のADSL回線を設置したときの工事  著者撮影

電柱のケーブルの工事も余った部分を切らずに丸めて残しておくようだ。それにしても「グルグル」が多すぎて無駄にケーブルを使用してるように思うのは気のせいだろうか?普通なら設計図のとおり、必要な分だけカットして残りはあまり出さないようにするのが、コスト的にも一般的だと思う。それに行政、会社もよくそんな工事を許可するものだ。その辺はもう「マイ・ペン・ライ」なのだろうか。

cab_04マンションの下もゴチャゴチャ  著者撮影

そんな事を思っていたら、最近かのビル・ゲイツ氏がSNSでバンコクの電線について苦言したそうだ。それでこのグチャグチャの電線を何とかすべきだ。という流れになりつつあると聞いた。過去にも通行止めをして電柱の地中化工事を行った場所もあるのだが。ほんの一握りに過ぎない。バンコクの電線が全て地中に埋められてしまうと美観的にはいいが少し寂しい気がしないでもない。

cab_05頭にあたりそうなぐらい垂れ下がっている 著者撮影

 
(text & photo : 中島貴義)

 

熱帯写真家フォトエッセイ「アジアの街角から」
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