カンボジア
観光
東南アジアを代表する遺跡

東京23区ほどの敷地に60以上の巨大遺跡!世界遺産「アンコール遺跡群」

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©TRIPPING!   アンコール・ワット第三回廊

アンコール・ワット」で知られるカンボジアの「アンコール遺跡群」。考古学上の重要性、また観光地としての知名度ともに東南アジアを代表する遺跡だ。1992年には世界遺産に認定。圧倒的ビッグスケールと美しさは、訪れる人々全てを魅了する。

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東京23区に相当する敷地の中に点在する遺跡は大きなものだけで、その数60以上!“神の化身”とされた歴代の王たちが、神の世を地上に出現させるため次々と寺院や王宮を造営した結果だ。600年以上続き、最盛期には20万人もの人口を抱えたアンコール王朝の繁栄の証でもある。

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©TRIPPING!   アンコール・ワット 西参道の蛇神ナーガ像

「アンコール遺跡群」の特長のひとつとしては、ヒンズー教と仏教の混在する遺跡群であること。初期のアンコール王朝ではヒンズー教が主体で、寺院にもヒンズー教の伝説や神々が登場した。その最高傑作ともいえるのが、12世紀前半に造られた「アンコール・ワット」。後期に入ると、平和を願う大乗仏教が勢いを増し、観世音菩薩など仏教のモチーフが登場する。こちらの代表格が、12世紀後半に造られた「アンコール・トム」だ。王族の中でも宗教戦争は激しく続き、15世紀にタイに攻め落とされたのち、王都はそのままうち捨てられた。

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©TRIPPING!   アンコール・ワットの壁面のデバダー

遺跡が世に知られるようになったのは、19世紀後半、フランス人アンリ・ムオーが旅行記で紹介してから。その後は遺跡調査や修復活動が進められるが、国内の戦乱が長引きしばしば中断を余儀なくされた上、内戦終結後も厳しい自然環境や地雷の存在が作業を阻み、1992年の世界遺産登録と同時に、存続の危機に瀕した「危機遺産」にも登録された。それからは内外の保護活動への意識は飛躍的に高まり、日本やフランスなど各国の援助もあって、2004年には危機遺産の登録からは外された。

最も有名な「アンコール・ワット」は、クメール王朝のスールヤヴァルマン2世が12世紀前半、30年もの年月をかけて建造した一大石造遺跡。外周およそ5キロの外堀に守られた約200ヘクタールもの広大な敷地の中には、高さ65メートルの本殿中央祠堂を中心に、ヒンドゥー教の宇宙観を具現化したという、幾何学的な大伽藍が展開されている。数多くあるレリーフの中でも天地創造を描いた「乳海撹拌」は有名。

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©ASEAN-Japan Centre   アンコール・トムのバイヨン

また、「アンコール・ワット」と並び人気なのが「アンコール・トム」。10万人の人々が暮らした12~15世紀の王都で、木造の王宮や館は朽ち果てているが、環濠や石造りの建造物が各所に点在。ハイライトとなる仏教寺院「バイヨン」には、迫力ある四面仏顔像が林立する。

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©ASEAN-Japan Centre   アンコール・トムのピミアナカス

観光の際、数多くのホテルがあって、滞在の拠点となるのがシェムリアップ。遺跡群は市街から7キロほど離れているので、シェムリアップ発着のツアーに参加するのがお手軽だ。個人で各遺跡間を移動する場合は、タクシーやトゥクトゥクをチャーターすることになる。

なお、遺跡群エリアに入場するには、ゲートで各遺跡共通の入場券が必要で、シェムリアップ市内から「アンコール・ワット」へ向かう道路沿いにあるチケットブースで購入出来る。

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©TRIPPING!   遺跡共通の入場チケットは顔写真が入る

 
アンコール遺跡群 (Angkor Archeological Park)
・住所:Siem Reap, Cambodia
・入場時間:5:00~18:00(一部閉館時間が異なるもの有)、無休
・入場料: 遺跡共通で1日券20アメリカドル、3日券40アメリカドル、7日券60アメリカドル。11歳以下は無料。

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